【ブックレビュー】「フランスの子どもは夜泣きをしない」
予定日を超過し、おまけに風邪で寝込んでいるので子育て本を読んでみました。
パメラ・ドラッカーマン著「フランスの子どもは夜泣きをしない」
フランスへ移住したアメリカ人の著者が、フランス流の子育て方法を紹介しています。
主な内容は以下の通りです。全てタイトルに「フランスの・・・」をつける感じです。
全体の感想
まず、英米と仏では子育て方法が全く違うというのが驚きでした。
日本は英米に近いんですね。(戦後アメリカ文化で暮らしてるから当たり前か)
英米(日も)は、子ども中心主義というか、子育て=親の犠牲の部分が大きく、夜泣きに付き合って睡眠とれないのは当たり前、子どもがいうこと聞かないのは当たり前、公共の場で泣いたり騒いだりするのは当たり前・・・
まぁ、子育ての一般的なイメージでしょうか。
私はこのイメージに正直びびってました。産後半年未満で仕事復帰するので、一番は夜泣きです。。夜泣きでほぼ睡眠とれない状態で、どうやって職場復帰するんだろ・・・と不安でなりません。産後クライシスも心配ですが。
一方の仏では、親が中心といいますか、子育て=親の犠牲ではなく、親には親の生活があることを根気強く、色々な方法で教えていく、それが親の責任であり子どものため、という内容です。
全てを真似できるとは思えませんが(もし全て真似したら、日本ではたぶん困った人扱いされる笑)、子育てでいっぱいいいっぱいになりがちな日本の親御さんには、「そっか、もうちょっと親中心で考えても良いのか」と思える内容かなと思いました。
というか英米の親御さんもいっぱいいっぱいなのね。ちょっと安心したよ。
個別の感想
- 寝かしつけ
一番参考になりそうなのは、寝かしつけ方法でした。
フランスでは、多くの子どもが生後1カ月~4カ月の間にまとまった睡眠をとるようになるそうで。
え、ホントに!?と思いました(^^;)
子ども=まとまって寝ない、夜泣き=親ぐったり・・・が日本では一般的かと思います。(英米も同じだとか)たまによく寝る子もいると聞きますが。
前述のとおり、夜泣きが職場復帰の最大の悩みで、先輩方からも「半年で復帰するなんて、夜全然寝れない状態だよ?」と散々言われてきたので・・・
英米日では、子どもが夜泣いたら、抱っこ・授乳・おむつ替えが多いと思いますが、フランスでは「すぐにあやさず、ちょっと待って、まず観察する」そうです(笑)
乳児は睡眠サイクルが2時間ごとで、レム睡眠とノンレム睡眠を上手く繋げないために、睡眠サイクルごとに泣いてしまう。
でも、そのたびに完全に目覚めてるわけではなく、毎回おっぱいが欲しいわけではないので、一回一回抱っこして授乳してたら、そのたびに目覚めさせてしまい、睡眠の練習にならない、と考えているそうです。
抱き上げずにしばらく見て、トントンしたり、歌を歌ったりするそうです。確かに、自分が夜中にふっと目覚めちゃったとき、毎回起こされたら嫌だよね。
もちろん「観察」して、授乳やおむつ替えが必要そうだなと思ったら、その時はそう対処する。新生児のうちは授乳の時間が頻繁だし。
その子にもよりますが、「ちょっと待って、観察する」ことにより、徐々に長時間眠れるようになるそうです。3~4カ月までに始めることが大切とのこと。
これ、やってみようと思います。
Amazonのレビューには「泣いた子を放置すると忍耐力がなくなる」などという説も書かれていて、少しとまどいますが・・・放置するわけじゃないよね(-_-;;)
- しつけ、叱り方
英米日では、「子どもに寄り添う」「認めて、ほめてあげる」ことが基本だと思いますが、仏では「親や他人にも要求や感情があることを伝える」「子どもといえども、社会の一員としてふるまう」「簡単にほめない」そうです。
これは、取り入れるかどうか微妙ですが(ほめてあげたい・・・)、確かに「親や他人にも要求や感情があることを伝える」は大切ですよね。子どもが王様になってしまうと困る。
子どもを「理屈の通らない別の生き物」ではなく、「小さいけど理性が通じる人」として扱うので、ダメなものはダメ(あなたなら分かるよね?)ときっちり伝えるそう。これはやってみたい。
そして、仏では「挨拶」にとても厳しいらしい。初対面の人に「こんにちは」「さようなら」が言えないのは社会の一員として失格とのことで。
日本では、小さい子に「こんにちは」と言って、その子が親の陰に隠れちゃっても、失礼なこと言われても、それだけで目くじら立てませんよね(^^;)
- 夫婦円満の秘訣
英米日では、子どもが生まれると子ども中心の生活になることが多いので、夫婦2人の時間などはめったに持てないと思いますが・・・
仏では、夫婦2人の時間はあって当然!夫婦が仲良くなくて子どもに良いわけないし、子どもが巣立った後どうするの?とのことで。
うーん、そうしたいけど、現実的にはベビーシッターをばんばんお願いできるような経済状態じゃない人にもできるかな?という感じで。
確かに、産後に夫婦で寝室が別になったりしたら、もう戻れなそうだし、考え方としては取り入れたい(>_<)
一番参考になったのは、仏女性は「男女は別の生き物と理解していること」。
英米日では、子育て女性が旦那さんの家事について不満があるのは基本ですよね。。
仏女性は「男は不器用でかわいい」「とにかくできないのよ、私たちの方が上等ってわけ!」という笑い話にしちゃう。それで、週末の朝大好きなパンを買ってきてくれた夫に、「嬉しい!このバケット大好きなの!」と素直に可愛く言う。
これできたら素晴らしいな~!できるかな(笑)
夫に家事のダメ出しはすまい!(やってくれた内容にケチつけない)と思ってるし、本当によくやってくれてる!ありがとう!と伝えているけど、正直子どもが生まれたら同じようにできる自信がないです。
特に職場復帰後、大量のタスクを抱えた毎日を、夫婦でどう円満に過ごしていくか、これは一大テーマであります。。
これは、日本が仏に近いと思われるため、あまり驚きはありませんでした。さすがに保育園でフルコースはないけど、「季節の色々な食材を食べて、色んな味を知ってもらう」というのは日本も同じかなと。
むしろ英米の子ども食すごいな!ピザにポテトとか、大人でもそんな食生活しないよ~
全部無理やり食べさせなくても必ず一口は食べてもらう、食事は30分以内に済ませる(子どもの集中が持たない)、おやつは禁止しすぎず適度な距離感で付き合う、などは参考になりそうです(^^)
心に残った文章
- 最初の2か月間「ちょっと待つ」を実践すれば、赤ちゃんは自分で眠りに戻ることを自然に覚えてくれる。
- 「2分だけ待ちなさい。ママはお話し中なのよ。」とたしなめる。とても丁寧な言葉できっぱりと。
- 子どもの「ボンジュール」は大人のためだけではない。これを言うことで、子どもは自分だけでなく他人にも感情や要求があることを学習できるのだ。
- もっと確信を持って「ノー」を言わなきゃ。子どもが耳を傾けてくれると信じるの。怒鳴らなくていいから、きっぱりとした口調で。
全体として、私はとっても参考になりましたが、Amazonレビューの中には「単に大人が楽をしたいだけでは?」「そうやって育ったフランス人と仕事をするとマイペースぶりに振り回されて大変」「フランスの子育てを美化しすぎです」という記載もあり・・・確かに見方によってはそうとも言えますね(笑)
でも、頑張りすぎちゃうお母さんが多いと思うので、肩の力を抜くには良い本だと思いました。